モールとは、電話線やLANケーブルなどの屋内配線を壁や床に固定したり保護したりするための配線資材です。
モールを使用すると見た目も美しくなり、配線も傷付く心配がないので、屋内配線時はモールが使用されます。
ただし、モールには取り付け場所によっていくつか種類があるので、それぞれの違いを把握することが大切です。
そこで今回は、モールの種類や用途を1つずつ解説します。
モールとは
モールとは、電話線やLANケーブルなど、さまざまな屋内配線を壁や床などに固定するための配線資材です。モールは配線をすっぽり覆うように取り付けるので、配線を保護したり、目立ちにくくさせたりする役割もあります。
モールは両面テープを使用して壁や床へ固定するため、施工時に接着剤やネジなどを使用する必要はありません。
また、モールの形状は直線タイプだけでなく、カーブの付いた「マガリ」「テズミ」「イリズミ」などがあります。
モールの種類と用途
ここでは、モールの種類を用途とともにご紹介しましょう。マガリ
マガリとは、配線を水平方向に90度曲げたいときに使用するモールです。
直角配線は、ベースの直線モールを左右45度の角度でカットして連結させたり、ベースの直線モールの外側を片側のみ少しカットし、もう一方の直線モールを挿し込んで連結させたりしても施工できます。
しかし、配線はマガリを使わず床や壁に曲げて固定をすると、配線が傷付きやすく危険であるほか、施工しにくいです。
一方、マガリを使えば配線を無理に曲げて固定したり、ベースの直線モールをカットしたりする手間をかける必要もなく、マガリの中へ配線を通すだけでゆるやかにカーブを付けられます。
配線は多くの場合、部屋の角に沿って這わせていくので、マガリは配線を美しく安全に這わせるために欠かせない配線資材といえます。
マガリを取り扱っている主なメーカーは、以下のとおりです。
エルボ
エルボとは、カーブの付いたモールの総称です。
そのため、先にご紹介したマガリもエルボの一種といえます。
エルボには、以下のように3つの種類があります。
エルボの種類
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フラットエルボ(平面エルボ)
床や壁などの平面で配線を直角に曲げたいときに使用するモールです。「マガリ」とも呼ばれています。 -
インターナルエルボ
床や壁の隅に沿って配線を直角に曲げたいときに使用するモールです。「イリズミ」とも呼ばれています。 -
エクスターナルエルボ
床や柱の出っ張りに沿って配線を直角に曲げたいときに使用するモールです。「デズミ」とも呼ばれています。
配線は、部屋の中心ではなく壁や床の隅に沿って這わせて施工していくため、エルボの使用が不可欠です。
エルボには配線の曲げ方や設置場所によって種類が異なるので、施工場所に合わせて適切なものを選びましょう。
エルボを取り扱っている主なメーカーは、以下のとおりです。
デズミ
デズミとは、配線を柱や壁などの出っ張りに沿わせて90度曲げたいときに使用するモールです。
直線モールを外曲がりに直角で配線させたい場合、モールの結合部分にデズミをはめ込むと、配線を無理に曲げて固定する必要なく、見た目も美しく施工できます。
配線は、直線モールのベースとカバーに切り込みを入れて曲げると、デズミを使用しなくても柱や壁の出っ張りに合わせて施工できます。
しかし、直線モールのベースとカバーに切り込みを入れると、隙間からホコリが入る恐れがあるほか、切り込みが柱や壁の出っ張りに合わない場合もあるため、配線を外曲がりに施工したいときはデズミの使用がおすすめです。
デズミは主に以下のメーカーが取り扱っています。
デズミを主に取り扱っているメーカー
イリズミ
イリズミとは、配線を床や壁の隅に沿って内曲がりに90度曲げたいときに使用するモールです。
直線モールを床や壁の突き当たりに沿わせて垂直に配線したい場合、イリズミを直線モールの結合部分にはめ込むと、結合部分の配線をむき出しにしたり、無理やり配線を曲げて固定したりする必要もなく、美しく配線を施工できます。
配線を内曲がりに施工する際は、直線モールのベースとカバーに切り込みを入れ、施工場所のカーブに合わせて曲げる方法もあります。
しかし、この方法で施工をすると、切り込みを入れた部分にホコリが入り込んだり、カット場所を間違えて直線モールがカーブに合わなくなったりするリスクがあるので、配線を内曲がりに施工する場合はイリズミの使用がおすすめです。
イリズミは主に以下のメーカーが取り扱っています。
イリズミを主に取り扱っているメーカー
テープ付き
テープ付きとは、底面に両面テープが付いているモールです。
モールは通常、床や壁と接着するために「モールテープ」と呼ばれる専用の両面テープを別途用意し、モールの底面に貼り付けて施工します。
しかし、テープ付きのモールであれば、最初からモールの底面に両面テープが付いているので、素早く施工することが可能です。
ただし、テープ付きの配線モールに付いている両面テープは、凹凸面への接着力が弱く、フラットな壁紙やフローリングにしか接着できないケースが多い点に注意が必要です。
そのため、凹凸模様の付いた壁紙や、ガラス・プラスチック・金属などにモールを取り付けたい場合は、取り付け場所に適したテープ付きのモールを選ぶようにしましょう。
もし取り付け場所に適したテープ付きモールがない場合は、テープが付いていないモールと、取り付け場所に敵したモールテープを別々に用意する必要があります。
テープ付きモールは、主に以下のメーカーが取り扱っています。
テープ付きモールを主に取り扱っているメーカー
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ELPA
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フソー化成
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オーム電機
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マサル工業
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未来工業
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TRUSCO
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エレコム