電線管をつなげる際は、カップリングという配線資材を活用します。
カップリングは電線管の長さを伸ばしたり、違う電線管同士を安全に接続したりする際に便利な配線資材なので、多くの現場で活用されています。
ただし、カップリングにはいくつか種類があるため、現場ごとにどのカップリングが適しているのか事前に把握しておくことが大切です。
そこで今回は、カップリングの概要や、種類別に用途をご紹介します。
最後にカップリングの比較ポイントもご紹介するので、カップリング選びにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
目次
カップリングとは
カップリングとは、電線管同士を接続する際に使用する配線資材です。カップリングはサイズの違う電線管や、鋼製電線管と合成樹脂電線管など、種類の違う電線管同士を接続する際にも使用されます。
カップリングは接続する電線管の種類に合わせ、ねじ付きタイプと、ねじなしタイプがあります。
カップリングを屋外で使用する際は、雨水や砂埃などが侵入して電線がショートしないように、事前に防水パッキンや袋ナットを使用した防水処理が必要です。
カップリングの種類・用途
ここからは、カップリングの種類を用途とともに解説します。カップリング
カップリングとは、内側がねじ切られているカップリングです。そのため、差し込む電線管も両端がねじ切られているものを使用します。
電線管を切断してカップリングにねじ込む際は、挿入部分が浅くならないように電線管へマークを付け、十分な深さを確保してから切断します。
また、ねじ込む際は接続不良を防ぐために、切断した端部のバリを十分に除去する作業も必要です。
ねじなしカップリング
ねじなしカップリングとは、カップリングの内部がねじ切られていないカップリングです。
そのため、ねじなしカップリングは差し込む電線管もねじ切られていないタイプを使用します。
ねじなしカップリングは電線管を差し込んだだけでは抜け落ちてしまうので、カップリングに付いている固定ねじを締めて電線管を固定します。
固定ねじは電線管に当たったら締めるのをやめるのではなく、完全にねじ切るまで締めることが重要です。
コンビネーションカップリング
コンビネーションカップリングとは、種類が異なる電線管を接続する際に使用するカップリングです。
具体的には、露出配線から埋設配線に変更したいときや、鋼製電線管を硬質ビニル管に変更したいときなどに使用します。
コンビネーションカップリングは、ねじなし電線管とねじ付き電線管だけでなく、合成樹脂可とう電線管(PF管)や硬貨ビニル電線管(VE管)、防水プリカなど、どのような電線管同士でも接続できるように豊富な種類で販売されています。
TSカップリング
TSカップリングとは、硬質塩化ビニル電線管(VE管)をつなぎ合わせる際に使用するカップリングです。
耐候性や耐水性に優れているPVC材で作られているため、水道管や配水管、ガス管などを接続する際によく使用されます。
TSカップリングを使用する際は、硬質ビニル電線管用接着剤の利用が必須です。
一般的なカップリングのように差し込むだけでは接続できないので注意しましょう。
パイコン
パイコンとは、先にご紹介した「コンビネーションカップリング」の別名です。
種類の異なる配管同士をパイコンにつなげるだけで接続できます。
パイコンは、電線管を押し込んで固定するタイプや、付属の固定ねじを締めきって固定するタイプなど、種類が豊富です。パイコンの使用により、施工性の向上や、多種の施工方法の組み合わせを可能にします。
ただし、パイコンを使用すると電線管より外形が太くなるため、壁面に設置する際は、配管を壁面に近づけすぎないようにしましょう。
カップリングの交換時期の目安
カップリングの交換時期は明言されていませんが、カップリングにひび割れや穴などの損傷箇所が見られた場合は交換しましょう。
また、カップリングでつないでいる電線管にはそれぞれ寿命があるため、電線管を交換するタイミングでカップリングも一緒に交換するのもおすすめです。
劣化したカップリングを交換しないまま使い続けていると、電線管内を通っている電線やケーブルがショートを起こす可能性があるので、定期的に状態は確認しておきましょう。
カップリングの選び方・比較ポイント
カップリングを選ぶ際は、同じ電線管同士をつなげるのか、種類が異なる電線管をつなげるのかによって、選ぶカップリングが変わってきます。同じ電線管同士をつなげる場合は「カップリング」または「ねじなしカップリング」「TSカップリング」を選びましょう。
ただし、電線管の種類が硬質塩化ビニル電線管(VE管)の場合はTSカップリングに限られます。
また、電線管がねじ切られていない場合は「ねじなしカップリング」、ねじ切られている場合は「カップリング」を選んでください。
種類が異なる電線管をつなげたい場合は、「コンビネーションカップリング(パイコン)」を選びます。
コンビネーションカップリングはつなげる電線管によって使用する商品が異なるため、どのコンビネーションカップリングなら使用できるのか、事前に確認が必要です。
カップリングを扱う主なメーカー
カップリングを扱っている主要メーカーは、以下の6社です。メーカーによってカップリングの材質や形状や構造、耐久性などが変わってきます。
また、同じ商品でもメーカーによって価格が変わる場合があるため、コストパフォーマンスを重視する際は、品質と価格の両面を確認することが大切です。