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漏電遮断器とは?種類や比較ポイントを紹介

漏電遮断器とは?

漏電遮断器は、感電事故を防ぐための重要機器です。
工場だけでなく、一般住宅や自動販売機、スーパーの冷凍ショーケースなど、わたしたちの身近な場所でも活用されています。

ただし、漏電遮断器には複数の種類があり、それぞれ取り付けられる場所も決まっているので、選び方には注意が必要です。

そこで今回は、漏電遮断器の概要や種類、用途などを解説していきます。
交換時期の目安や取り扱いメーカーも解説しているため、ぜひ参考にしてください。

漏電遮断器とは

漏電遮断器とは、漏電による感電事故や火災を未然に防ぐために設置する機械です。
感電事故や火災の危険を検知すると、自動的に電気回路を遮断します。
別名は、漏電ブレーカーです。

漏電遮断器は、機器の内部に零相変流器が組み込まれており、回路を往復する電流値を常に測定しています。
電気回路に問題が無ければ、行きと帰りの電流値は同じなので異常は発生しません。
しかし、行きと帰りの電流値に差が出たときは、どこかで異常が発生していると判断し、電気回路を遮断します。

漏電遮断器の種類・用途

この項目では、漏電遮断器の種類を用途とともにご紹介していきます。

高感度形

高感度形は、5~30mAの電流を感知できる漏電遮断器です。高感度形には以下のように3つの区分があり、それぞれ特徴が異なります。

種類 概要
高速形
  • 動作時間0.1秒以内。漏電を感知すると、すぐに回路を遮断するため安全度が高い。ただし、主な分電盤に設置すると漏電が発生した直後にすべての配線が停電する。
時延形
  • 動作時間0.1~2秒以内。上位遮断器を順番に時延することで、広範囲の漏電を防止しつつ、大規模な停電被害を防ぐ。
反限時形
  • 動作時間0.3秒以内。感電事故防止目的で設置するため、危険度の低い漏電には反応しない場合がある。

中感度形

中感度形は、50~1,000mAの電流を感知できる漏電遮断器です。中感度形には以下のように2つの区分があり、それぞれ特徴が異なります。

種類 概要
高速形
  • 動作時間0.1秒以内。キュービクルの配電用遮断器の幹線を保護する目的で使用されることが多い。
時延形
  • 動作時間0.1~2秒以内。電線の亘長が長い場合や、回路の容量が大きい場合の幹線保護などに使用されることが多い。

低感度形

低感度形は、3~20mAの電流を感知できる漏電遮断器です。
低感度形には、動作時間0.1秒以内の高速形と、動作時間0.1~2秒以内の時延形があります。

どちらも電線の絶縁破壊などによって電源線から地面に漏電が発生した場合に、電気回路を遮断する目的で使用されます。
適切なタイミングで遮断することで、感電や回路の回線損傷の危険を回避することが可能です。

漏電遮断器の交換時期の目安

日本電機工業会「低圧機器の更新推奨時期に関する調査報告書」に記載されている交換推奨時期によると、漏電遮断器は15年での交換が目安です。

ただし、15年が経過していなくても、以下のような不具合が見つかった場合は火災や感電を起こす危険性があるため、速やかに交換しましょう。
  • 排気孔部に過電流を遮断した形跡がある
  • 端子ネジのゆるみが直らない
  • 異常温度上昇の形跡がある
  • 機器が著しく損傷している
  • 通電状態で本体が70度以上の熱を持っている
  • 煙や異臭が発生している

漏電遮断器の選び方・比較ポイント

漏電遮断器は、電気回路を遮断する電流量で選びましょう。
漏電遮断器は製品によって感知できる電流量の最大値が異なるため、遮断する電流量を上回る値で最大値を設定できる製品を選んでください。

また、漏電遮断器は設置場所や目的によっても使用できる製品が異なります。

感電事故を防止する場合は高感度形の高速形、水気の多い場所や、漏電遮断器を固定できない場所に設置する場合は、10mA・15mA・30mAいずれかの感度電流を選びましょう。
漏電遮断器を確実に固定できる場所であれば、感度電流は100mA・200mAも使用可能です。

多数の回路の分岐主幹として使用する場合や、大容量回路で誤作動を起こす危険性がある場合も、感度電流は100mAまたは200mAが適しています。

漏電遮断器を扱う主なメーカー

漏電遮断器は、主に以下のメーカーで取り扱っています。
  • パナソニックパナソニック
  • 河村電器産業河村電器産業
  • 日東工業日東工業
  • テンパール工業テンパール工業

漏電遮断器を選ぶときは、各メーカーの特徴を把握して使用用途に適したものを選びましょう。

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