シーリングライトやペンダントライトなどと違い、照明器具が視界に入らないぶん、部屋を広く見せてくれる効果があります。
ただし、ダウンライトには用途別に複数の種類があるため、それらの違いをよく把握しておくことが大切です。
そこで今回は、ダウンライトの概要や種類・用途などを解説します。
記事の中ではダウンライトの取り扱いメーカーも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ダウンライトとは
ダウンライトとは、天井に埋め込まれているタイプの照明器具です。天井に埋め込まれているので、シーリングライトやペンダントライトのように照明器具が出っ張ることはなく、天井がフラットでスッキリ見えます。
ダウンライトの形状は、筒型が基本です。ダウンライトが照らす範囲はライトの下面のみなので、部屋のメイン照明というよりは、補助照明として採用されるケースが多いです。
ダウンライトの種類・用途
この項目では、ダウンライトの種類を用途と共にご紹介していきます。SB型
SB型のダウンライトは照明器具と埋め込み部分に隙間が生まれないので、室内の空気が天井へ逃げにくくなるだけでなく、天井の結露防止や冷暖房のエネルギーロス低減に効果があります。
遮音性も期待できるため、エントランスホールやホテルの客室、スタジオや会議室など、声が響きやすい場所で使用されることが多いです。
SG型
SG型とは、マット敷工法に対応しているダウンライトです。マット敷工法は、天井や壁などにロール状またはパット状の断熱材を敷き詰め、ダウンライトを挿入した天井部分の結露防止や冷暖房のエネルギーロスを低減できます。
ただし、SG型は北海道では使用できないので、注意が必要です。
SG型のダウンライトは、主にエントランスホールや会議室、ホテルの客室、スタジオなどで使用されています。
グレアカット
グレアカットとは、人の視覚や仰角を考慮し、ライトの光源が視界に入らないように設計されたダウンライトで、別名グレアレスとも呼ばれます。通常のダウンライトは下に向かって約60度の広がりを見せますが、グレアカットは約25度の範囲で光を照らすため、スポットライトのように明るい部分と暗い部分の差がより明確になります。
グレアカットダウンライトは、高級レストランやカフェなど、落ち着いた雰囲気を演出したい場面で使用されることが多いです。
傾斜天井用
傾斜天井用のダウンライトとは、斜めになっている天井に埋め込んでも光が真下に広がる照明器具です。
しかし、傾斜天井用のダウンライトは反射板を天井の傾斜角度に合わせて設定しているため、床下へ光を落とし込むことが可能です。
傾斜天井用のダウンライトは一般住宅の斜めの天井部分だけでなく、エスカレータの天井部分にも使用されています。
高気密
SGI型もSB型と同じく本体の埋め込み部分をパッキンで塞ぎ、気密性を高められるダウンライトですが、ブローイング工法(天井や壁などに粒状の断熱材を吹き込む工法)には対応していません。
そのため、ブローイング工法の天井や屋根に高気密ダウンライトを取り付けたい場合は、SB型を選びましょう。
ユニバーサル
ユニバーサルダウンライトとは、ダウンライトのライトを動かし、光の方向や角度を調整できる照明器具です。
ユニバーサルダウンライトを使用すると、おしゃれでムーディーな雰囲気を演出することが可能です。
ウォールウォッシャー
ウォールウォッシャーダウンライトを設置すると、アクセントクロスやタイルが立体的に見えるので、壁全体が美しく際立ちます。
ただし、ウォールウォッシャーダウンライトは壁から300~1,000mm離れて設置することが多いため、ライトを設置したい場合は、天井に相応の取り付けスペースを確保しなくてはいけません。
調光有り無し
ダウンライトの中には調光機能が付いているタイプがあり、調光有りと書かれているダウンライトは、光の強さや色を調節できます。シーンや使用する時間帯に合わせてダウンライトの光を調節すると、自分の好みに合わせた空間作りができるので、より快適に過ごせます。
調光は壁面スイッチや付属のリモコンで操作しますが、リモコンなら室内のどこにいてもライトを操作できるので、調光機能付きダウンライトはリモコン調整タイプのほうが使いやすいでしょう。
ダウンライトの交換時期の目安
ダウンライトの交換時期は、設置から10年が目安となっています。ダウンライトを含めた照明器具は、外観に異常が見られなくても、10年を経過したあたりから電気回路や配線部品などの電気絶縁物の劣化が目立ち始めます。
多くのダウンライトで使用されているLED電球は40,000時間を寿命としていますが、ダウンライトには制御装置やその他の部品も含まれるので、LED型ダウンライトも10年を目安に交換したほうが安全です。
交換を怠ると、発煙や発火のリスクがあるため、注意しましょう。
ダウンライトの選び方・比較ポイント
ダウンライトを選ぶ際は、光で照らす場所や範囲を明確にしましょう。部屋の中を全体的に照らしたい場合は全般照明用、スポットライトのように一部分だけ照らしたい場合は局部照明用、壁を照らしたい場合は壁面照明用を選びます。
また、ダウンライトは使用場所によって適切な型式が異なります。
マット敷工法の天井へダウンライトを設置する場合はSGI型、ブローイング工法の天井へダウンライトを設置する場合はSB型がおすすめです。
ただし、ダウンライトは同じ種類でもメーカーによって器具の大きさや配光、色温度や演色性などが異なるため、どのメーカー品がご自身の要望を満たせるのか事前にショールームなどで確認するようにしましょう。
ダウンライトを扱う主なメーカー
ダウンライトは、主に以下のメーカーで取り扱っています。ダウンライトはメーカーによって、屋内外で使用できるものや防滴性能が付いているものなど、それぞれ特徴があります。
調光できる色や光の強さなども違いがあるので、ダウンライトを探している人は、さまざまなメーカー品を見比べて、ご自身の希望にあったものを選択しましょう。